Interview with Sputniko!

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スプツニ子!×ファッション―彼女は、なぜ作品を纏うのか?


彼女は、なぜ作品を纏うのか?

「もともと『スプツニ子!』は、家でひとりで音楽も映像もコンセプトも作って生まれたプロジェクトなので、人に頼むより自分が作品に出て歌うのが一番簡単だったんです。」


『寿司ボーグ☆ユカリ』/『カラスボット☆ジェニー』/『生理マシーン、タカシの場合』(写真:Rai Royal)

こうして話を聞いていると、アイデアの展開方法がファッションデザイナー的というかプロダクトデザイナー的な転換方法ですよね?

そうですね。ロイヤル・カレッジ・オブ・アートで学んでいた時は、デザイン・インタラクションという学科でした。「売る」よりも「考えさせる」プロダクトデザインが基礎だったので、建築の批評やクリティカルなデザイン・・・その影響は絶対あると思います。

『カラスボット☆ジェニー』と『寿司ボーグ☆ユカリ』では、ロンドンの「Aephie Huimi」、『生理マシーン、タカシの場合。』では、日本の「galaxxxy」といったファッションブランドと作り上げてきました。これまでの作品も踏まえてみると、スプツニ子!さんの作品には良い意味でファッション的なビジュアルセンスを感じています。どのようにして、アイデアをビジュアルに転換しているか興味があります。

ビジュアルは製作していると断片が沸き上がってきます。スペクタクル性があってダイナミックなもの・・・ハリウッド映画やタランティーノの作品、マンガやアニメや日本の暴力映画からも影響を受けたりしていると思います。鮮やかさや残酷さのあるビジュアルが個人的に2010年代的でもあると思っていてしっくりきます。

衣装に強く求めているものはありますか?例えば、世界観の再現能力や動きやすさのような機能性であったりするものです。

動きやすさは・・・あった方が嬉しいですよね(笑)でも、世界観とキャラクターの再現が一番ですね。そこで手を抜いてチープな服を着ると「コスプレ」みたいになって勿体無いので。『生理マシーン、タカシの場合。』の時に、大木凡人みたいなウィッグが用意されてきて「ちがう!」みたいになった時もありました(笑)そういうセンスの境界線はありますよね?

そう、コスプレって擬装に価値を見出す装いの一つだと思っているので、作品でキャラクターに近づけていくところの違い・・・そのセンスの境界線をどうやって育んできたか気になります。野暮な質問ですが、普段の服装や好きなファッションブランドを教えてください。

普段は、殆どスッピンで、キャップとテキトーなTシャツやジーパンと合わせて製作しています(笑)あまりファッションブランドマニアではないので、自分の着る服はユニクロや古着で全然いいです。見たり考えたりする時は、テクノロジー的な作品も発表している「Hussein Chalayan」とか「Viktor & Rolf」のようなコンセプチュアル・クリティカルなものを発表しているファッションデザイナーの作品は好きでよく見ますね。あっ!ファッションでもスペクタクルなビジュアルが好きですねー。

ファッション雑誌やウェブは読まれますか?

ブログとかは見ますが・・・うーん、ファッション雑誌はあまり読んでないですね。ロンドンではカルチャー色が強い「Dazed and Confused(デイズド・アンド・コンフューズド)」はアートやデザインも取り上げられていたので、インスピレーションを受けていましたね。ブログメディアや「Pinterest」が出てきて、自分の好きなビジュアルを調べたり集めたりできるようになって、雑誌以外の情報源がアクティビティを増強していますよね。

確かにブランドも公式サイトだけでなく「twitter」や「Facebook」を利用してきたことによって、情報発信源の図式が変わったのは大きいですよね。好きなショップはありますか?

東京はまだあまり知らないですが、ロンドンだと若手ブランドを取り扱っている「LABOUR OF LOVE」やアクセサリーショップの「TATTY DEVINE」ですね。ちなみに、『グーグルのうた』で着ているグリーンのワンピースや鳥のネックレスは「LABOUR OF LOVE」で買ったものですね。見るのもの着るのも好きなので、モデルを頼まれたり、服を貸してもらったりしていますが、普段のプライオリティー的に高くないので、お金があると旅行に使っちゃうタイプですね。

そういった姿勢はアーティストとらしいと思う反面、作品やメディアに出るときは、キャラチェンジしますよね(笑)表にでることは好きですか?

作品ではキャラチェンジできますね!でも、意外と小心者なんですよ(笑)だから、最近テレビのレギュラーが始まりましたが、緊張して苦しいですよ(笑)人前に出るのは実はあまり好きじゃないです。ここまで自分のプロジェクトで人前に出る事になると思っていなかったので、「これは修行か!?」と思う事はあります。

では、ご自身の作品に登場する理由や演技力はどうやって培ってきましたか?

もともと「スプツニ子!」は、家でひとりで音楽も映像もコンセプトも作って生まれたプロジェクトなので、人に頼むより自分が作品に出て歌うのが一番簡単だったんです。あとは自分の作品に出ると、登場人物の微妙な表情や演じ方をコントロールができるのが良いですね。演じるのは、あんまり上手いか分からないですけど・・・昔から妄想癖だからそれなりに出来るのかもしれません(笑)

最後に、スプツニ子!さんは、なぜファッションの要素を作品に取り込むのでしょうか?

アーティストとして、ファッションにはキャラクターの性格やストーリーを語るパワーがあると思っているからです。

聞き手・文:スナオシタカヒサ