エスモード東京校が行った、卒業生ブランドによる合同展示会の意義

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画像提供: ESMOD

2012年11月29日から30日にかけて、「ESMOD(エスモード)」を卒業生した若手ブランドによる合同展示会「CONNECT(コネクト)」が開催された。参加ブランドには、「atelier nae(アトリエ ナエ)」、「chloma(クロマ)」、「Harmony-ka(ハモニカ)」、「Harunobu Murata(ハルノブ ムラタ)」、「hatra(ハトラ)」、「pahi(パヒ)」、「shunsuke hatakeyama(シュンスケ ハタケヤマ)」、「sneeuw(スニュウ)」といった、以上8ブランドが参加した。本記事では、出展ブランドの紹介と併せて、専門学校が卒業生の合同展示会を開催する意義をご紹介。

卒業生ブランド、いずれも2013年春夏コレクション(アルファベット順)

atelier nae(アトリエ ナエ)

デザイナー: 横畑 早苗
学歴: 総合学科スティリズム専攻(レディース専攻)2008年卒業
url: http://www.atelier-nae.com

chloma(クロマ)

デザイナー: 鈴木 淳哉 / 佐久間 麗子
学歴: 鈴木 2008年 2年次終了 / 佐久間 総合学科モデリズム専攻(レディース専攻)2009年卒業
url: http://www.chlomagearsonline.tumblr.com(1月オープン予定)

Harmony-ka(ハモニカ)

デザイナー: 権藤 和彦
学歴: 総合学科スティリズム専攻(レディース専攻)2008年卒業
url: http://harmonyka.com

Harunobu Murata(ハルノブ ムラタ)

デザイナー: 村田 晴信
学歴: 総合学科スティリズム専攻(レディース専攻)2010年卒業

hatra(ハトラ)

デザイナー: 長見 佳祐
学歴: 2005年留学学科入学-2008年エスモードパリ卒業
url: http://hatroid.com

pahi(パヒ)

デザイナー: 緑川りお
学歴: 総合学科スティリズム専攻(レディース専攻) 2008年卒業
url: http://pahipahi.com

shunsuke hatakeyama(シュンスケ ハタケヤマ)

デザイナー: ハタケヤマ シュンスケ
学歴: 総合学科スティリズム専攻(レディース専攻)2008年卒業
url: http://shunsukehatakeyama.com

sneeuw 2013 spring & summer collection

デザイナー: 雪浦 聖子
学歴: 総合学科スティリズム専攻(レディース専攻)2008年卒業
url: http://www.sneeuw.jp

企業型から独立型デザイナーへ、新たなジェネレーションの産声

今回参加した計8ブランドの内、2008年に卒業したデザイナーが6ブランドにも及ぶ。その他のブランドも卒業年が1、2年しか変わらず、この現象は“エスモード・ジェネレーション”と言えるだろう。また、今回は参加していないが、様々なアーティストの衣装を手掛ける「phiz(フィズ)」やセレクトショップ「XNADU(ザナドゥ)」などで取り扱いがある「NICK NEEDLES(ニック ニードルス)」といったブランドも控えている。

エスモードの教育は、企業でやっていけるだけのストイックなカリキュラムが特徴として知られている。参加ブランドの多くがアトリエ生産だが、それでも独学や他学校でファッションを学んだ若手ブランドよりもパターンやソーイングに力を入れている傾向があり、教育の賜物といえるだろう。

ブランド個体では呼べない、新たな業界関係者とのネットワーク

ブランドを立ち上げた後、最初の難関がプレスやバイヤー、スタイリストといった「業界人を呼ぶこと」にある。企業勤めであれば、退社した会社のネームバリューや対外的な人脈作りで多少なりともお世話になった人を呼ぶことが出来る。だが、会社勤めをせずにブランドを立ち上げると、片っ端に案内を送っても思うように来場してもらえない問題がある。実際に、今回参加したブランドでは、社会人経験をしていない、ハトラやクロマ(片割れの佐久間は企業勤めの経験あり)が良い例だろう。そのような実情的背景のなか、学校が培ってきたネットワークは、個展やブランド同士が行う合同展示会では呼ぶことが出来ない人々を来場させることができる。実際に、各デザイナーに話を聞いても「今までとは違う媒体や百貨店の方々が来てもらえた」と実感を得ている。このような合同展で名刺交換や関心を抱いてもらうことで次回の個展へ来場を期待することも出来るからだ。

また、二日目の一般デーには、入学を考えている人々に向けてオープンキャンバスを行ったこともあり、卒業生の具体的な活動を観ることが出来るのは非常に参考になるだろう。クロマの鈴木は、現在発売されている『Dazed & Confused(デイズド & コンフューズド)』12月号で、アーティスト きゃりーぱみゅぱみゅが着用した在学時の作品(神戸ファッションコンテスト 2007年でグランプリを受賞)も持参し「リアルクローズに落とし込んだ時の流れをみてほしい」というラック構成も行った。

今回のような学校側が先導した合同展示会は、様々な角度から非常に意義がある。ジェネレーションを活かしたアフターケアを同校だけでなく、他学校も率先して行なっていけば、ブランドの成長や新たな人材育成に繋がっていくのではないか?

取材・文:スナオシタカヒサ