シトウレイがTOKYO解放区から発したメッセージ

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2013年6月12日~25日の期間限定で、伊勢丹新宿店がフォトグラファー / ブロガーとして絶大な人気を誇るシトウレイをゲストに迎え、今の「東京」にフォーカスしたショップをオープンさせた。
新しい才能を発掘し、多くのデザイナーやブランドを紹介することで、ファッションの更なる可能性を追求してきた東京•伊勢丹新宿店の「TOKYO解放区」と『装苑』がタッグを組み、今年4月に「TOKYO DESIGN COMMIT」が行なわれた。今回はその特別編として開催された。本記事では、シトウレイのインタビューも含め、発表後から開催期間中の模様をご紹介。

シトウレイというフィルターを通して表現されるということ

『装苑』からシトウレイにオファーする形で始まったという今回の企画。店頭には、シトウレイが今気になるものや好きなものを、メンズ・ウィメンズのウェアから雑貨まで多彩に並んだ。

東京をベースに活動する韓国人デザイナー、バジョウによる新鋭ブランド「99% IS-(ナインティーナインパーセントイズ)」、自身の著書『日々是東京百景』での対談をきっかけに親交が深まったという大森伃佑子が手掛ける「DOUBLE MAISON (ドゥーブルメゾン)」、他には、東京・南青山のショップ「PEACH&CREAM(ピーチズ・アンド・クリーム)」のオリジナルブランド「SARAH&BRED(サラ&ブレッド)」、現在最も注目される東京ブランドの一つ「G.V.G.V(ジーヴィジーヴィー)」、といったブランドに、「Levi’s(リーバイス)」や「CONVERSE(コンバース)」などの定番や、自身で集めたというヴィンテージアイテムも併せてセレクトされていた。

このようなジャンルもコンセプトも全く異なるブランド・アイテムが、ショップという一つの空間に共存できるのは、シトウレイというフィルターを通しているからではないだろうか。

また、ショップの入り口には、”シトウレイ七種の神器”として、デジタルカメラやメモ帳、愛読本が飾られており、ファンにはたまらない空間作りがなされていた。

オープン初日、12日の夕方には、自身がTwitterで告知していたこともあり、店頭に立っているシトウレイと写真撮影やサインを求めるファンや、男性客の姿も見えた。そこで、本人にコメントを頂いた。

「ファッションをジャンルレスに楽しんで欲しいです。既成概念に捕われないことが大切。今回は、若くて新しいデザイナーも取り扱っているから注目して下さい。」とシトウレイがショップを通して伝えたいことを述べた。「何も買わないで帰るのはつまらないから、値段を抑えた小物も並べました。お土産にもなるような物もあります。」と小物を多く取り扱っていることについてコメント。

彼女の目に映る「東京ファッション」とは

21日には、『装苑』編集長 片岡朋子とのトークショーがショップ内で開催され、12日のオープンから伊勢丹新宿店本館2階で買い物をした方が先着で対象となった。

冒頭にシトウレイは、東京のファッションについて次のように語った。

「元々、ミックス感やまとまってなさが特徴であるが、誰かが選ぶことによってまとまる、それが“東京”だと思います。海外にはないジャンルレスさは、“ユニーク”という言葉で表現されて、その違和感を日本人は放っておくんです。」と伊勢丹新宿店内の今回のショップのテーマと通ずるものを感じた。

今回のセレクトについては、「メンズブランドもセレクトしました。『MIMI FITZGERALD(ミミ・フィッツジェラルド)』のように、言われるまでメンズブランドとはわからない物もあります。」レディースとしても通用するアイテムをセレクトして、独自のファッション観を表現し、「全部きれいだと私は違和感があるから、古着を取り入れました。これは、“はずし”と言うよりは“ふざけたい”という感覚です。」と言う。

「ブロガー」として現れる彼女の本当の魅力

本業であるブロガーとしての活動を「撮る人を選ぶ上で、清潔感は重視していますね。服装が良くても、髪型がきちんとしてないと撮らないこともあります。」「セクシーだけどエロくない人。ルパン三世の不二子ちゃんタイプは、わかりやす過ぎて深みのないセクシーだと思う。(笑)」と彼女の被写体を選ぶ軸を述べた。そして、「撮る人との関係は、すごく面白いですよ。職業と年齢くらいしか知らないのに、その人のコアな部分を知っていたりとか。」と、スナップ写真から人物像を切り取ることで見えてくる世界を語った。また、「OLYMPUSのOM-Dを今年の1月から使っていますが、これはミラーレス一眼で、普通の一眼レフより小さくて軽い物です。これを使っているのは、歩くのが仕事だから自分が疲れないようにというのもあるけれど、撮られる人が身構えないようにという思いもあるんです。」と人気の裏側にある、「ブロガー」としての枠を超えたシトウレイの深い魅力を垣間見ることができた。

シトウレイの話を片岡編集長が補足・盛り上げる形で進行し、終始和やかなトークショーとなった。

今回のこの企画は、シトウレイのメッセージが、伊勢丹新宿店の「TOKYO解放区」という場所から新しい形で発信されることにより、多くの人にファッションの自由で面白い面を伝えることができた。そして、彼女がブロガーとして、更にはファッションアイコンとして、絶大な支持を得る理由を改めて教えてくれる意味合いの大きい機会となった。

文:石川 千央