セレクトショップ「WUT berlin」 だからこそ出来るファッションショーの魅力

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2013年6月15日に表参道にあるセレクトショップ「WUT berlin(ウッドベルリン)」 の2013〜14Autum/Winterファッションショーが行われた。WUT berlin のファッションショーは、バイヤーであるYann Le Goec(ヤン・ル・ゴエック)のセレクトしたブランドの新作発表とスタイリングの提供である。

今回のテーマは ー New Religion 新しい宗教 ー

過去を捨て、各々の問題を忘れ、
新しい時代に突入するのです。
自分の考えや好みを信じて。
共に参りましょう…。

バイヤーのYann氏が作り出す新しい宗教着とは

会場は小原流会館B1。打ちっ放しの部屋の奥には3mほどの十字架に蛍光灯でWUTの文字が記されていた。また電球で導かれたランウェイ、その中心にはお立ち台があり、ファッションショーというよりは今から秘密の儀式が始まりそうな雰囲気に包まれていた。会場には十字架ありショー前には賛美歌が流れ、新しい宗教とはいえYann氏が育ったバックグラウンドが伺える。

「今回は新しい宗教だからゴット(神)もデビルもいない、なんでもあり、ごちゃまぜにした」とYann氏が言うように、いろんな民族、宗教のミックスしたものから今回のテーマを伺うことができる。イスラムの民族衣装を彷彿させる顔の周りを覆うベールや、ボヘミアンなどの宗教をイメージさせるスタイリングと、アメリカのストリート系ファッションやロンドンのPUNKファッション、アニメのキャラクターのような柄やマークなど現代の若者に人気であるカルチャーのミックスがあった。そして終盤にはフリーメイソンを思わせる宗教感の強い柄のスタイルが登場。ヘッドピース、衣装ともにTATA CHRISTIAN(タタ クリスチャン)の13~14A/W。Yann氏の想像する新しい宗教着を感じさせるスタイリングの登場で一気にこのショーが盛り上がった。

人目を惹く豪華なヘッドアクセサリー

そして過去3回ともヘッドアクセサリーを担当しているのがヘアースタイリストの青木謙樹氏。彼のこだわりは身近にあるモノでアクセサリーを作ること。使っている素材はよく見るとCDやスプーン、豆電球など身近にあるもの。しかし彼の手にかかると私たちが普段見ているモノとは思えないほどゴージャスなアクセサリーへと変化する。

「新しい素材でお金かけて作るものよりも、みんな見たことある身近なモノでクリエイティブなものを作ると見ている人がハッとする。その感情がエンターテインメントだ!」とコメントした。

身近にあるものだから一見素人でも作れそうと思いがちだが絶対に作れない。そこにプロとしてのプライドと素人との格差を見せつけられた。

なぜYann氏はファッションショーを行うのか。

セレクトショップは店頭で洋服を販売することが目的である為、コストのかかるファッションショーをやる必要がない。しかしそこをあえてショーを行うということは、店頭に洋服を並べ、顧客に販売するだけでは伝わらないファッションの面白さをYann氏は伝えたいのではないだろうか。

さまざまな世界観をもつブランドをミックスさせたスタイルを提供できるのはセレクトショップのよさである。そしてそのミックスしたスタイルの世界を音楽・空間とともに体感できるのはファッションショーである。Yann氏は洋服を売るだけでなく、エンターテイメント性を含めたスタイルを実際に“体感”してもらいたいのであろう。そのこだわりは、ヘアースタイリスト青木氏と通ずるものがある。これからもYann氏の新しいスタイリングのファッションショーを期待したい。

文 : 徳永啓太