theme
The New Era
designer
Akira Naka
stylist
Ryoko Ubayama
hair
TSUTOMU
make
MIHARU
model
Natalia K
Nastya Angel
model agency
White Model Management
look photographer
Masahiro Taketomi

AKIRA NAKA 2013 spring & summer collection

updated   : 9   : 0   : 2

グラフィックやカラー、様々な挑戦を試みたアキラナカの新時代

「AKIRA NAKA(アキラナカ)」による2013年春夏コレクション「The New Era」が発表された。今期は、アキラナカにとってグラフィックやカラーなどに対する挑戦の意味をテーマに込めて、ブランドイメージを変えずに一歩踏み出した。

社会と向き合うことから始まった、自身への挑戦

アキラナカではここ数シーズン、特に震災後の2012年春夏コレクションから「コンセプトを広げてただ好きなものをデザインするだけでなく、社会を考えて今なにが必要か?」を念頭に取り組んできた。そのうえで、今期のテーマである「The New Era(訳:新時代)」は自身にとって一つの節目として名付けられた。

アーカイブから垣間見える継続と変化

まずは、2012年春夏コレクションとそれ以前のクリエーションでは何が同じか?そして、変わっているか?という点から考えてみたい。

「装った時に内面が変わる服を作りたい」というように、アキラナカのクリエーションを語る上で重要になってくるのは、シック・リュクス・ラグジュアリーといったキーワードが浮かび上がる。恐らく、これはブランドデビューした時から同じ方向性で進んできているだろう。

それから震災などの社会的変化もあわさり「ファッションの多様性は必要だけれども、リアリティーが欠けたファッションは今の時代を映しだしていないと思っている」という考えが変化をもたらしたのかもしれない。

なぜ、シルエットなどの大きな変化がないにも関わらず、ハッキリと違いが表れるようになったのか?

コンセプト軸で考えるデザイン論からの脱却。所謂、プレタポルテを愛する30歳〜40歳といった層だけでなく、20代や50代にも平均的に顧客を抱えられるようになった背景も自信に繋がっているだろう。本当に服を着る人のことを考えた「デイリー」という一つのエッセンスが加わったことで、新しいアキラナカが誕生したのかもしれない。このような観点から、前兆となった2011年秋冬コレクションからカラーリングやグラフィック、テキスタイルなどの差し込み方に対して意識が伝わってくる。

あえて、黒をハズした色への挑戦

今期も黒を入れたアイテムはあるが、今までと違うのは黒をベースにして色構成を作っていないこと。「どうやっても黒はシックになる」というように、ラグジュアリーな打ち出しが強いデザイナーは黒に頼りたくなる傾向がある。また、前途したように20代からの支持を得られたことで「黒をベースにすると重くなる」という発見をもたらした。

一見簡単そうに見えるが、ブランドイメージを崩さずにカラーベースを変えるには色彩に対する確かな審美眼が必要となる。単にビビットカラーをベースに据えるだけではゴチャゴチャして見えてしまうため、考え方を180度に近い感覚で変えなければいけない難易度が高い作業である。

そこで、今期は白や黒のような無彩色を差し色感覚で入れるようにバランスをキープした。それはテキスタイルレベルだけでなく、プリントやボタンの配色、シャツカフスやカラーなど、cmからmm単位のレベルで繊細且つ絶妙にディテールまで色に対して意識が行き渡っていた。

もちろん、春夏ということもあり有彩色を使いやすい背景があるにせよ、確実に意識の変化が見受けられるカラーバリエーションといえる。この挑戦はアキラナカにとって、大きな引き出しを手に入れたと言っても過言ではない。恐らく、春夏だけでなく今後の秋冬コレクション以降にも影響を与えてくるだろう。

幅広く着れて、知性を感じさせられるグラフィックへの挑戦

今期は、ルックブックに登場するアイテムのなかで一際目を惹いた作品はグラフィックを使ったアイテム。中世の絵画や絵本などをリサーチしながら「ただポップにみせるのではなく、インテリジェンス・・・どこか知性があるグラフィックを作りたかった」という。版画的なイラストをアキラナカらしく大胆に配置した。また、ありそうでなかったレースを取り入れたことも新しい挑戦だった。

様々な挑戦から共通するのは、クオリティーの信頼感

着実に信頼感を高める作品を生み出しているが「まだまだ自分たちのデザインはゴールが先にある。シーズンを重ねる毎に『もっと深かった』と気づく連続で表現したいものはまだまだ深い」という。数字や記号の世界では簡単に行き着けないからこそ、私達はファッションに魅了される。それでも、これからのアキラナカに対して一つわかるのは、ルックやアイテムを一目しただけで安心感を与えてくれる作品が生まれてくることだろう。

取材・文:スナオシタカヒサ

AKIRA NAKA / アキラ ナカ

「女性の内的情景の視覚的表現」をコンセプトに、服があって女性をのせるのではなく、女性の芯があったうえで服をのせるようにデザインをしている。2012年7月には「Future Beauty 日本ファッションの未来性」展で、独自の技術により開発したニットと布帛を組み合わせるグラデーションニットを出展するなど、高い美意識に定評がある。女性の美を追求し、デイリーに纏えるプレタポルテへ飽くなき挑戦を続けている。

designer

ナカ アキラ
Akira Naka

collection

2013 a/w

2013 s/s

2012 a/w

2012 s/s

2011 a/w

2011 s/s