theme
bokudougi
designer
Kentaro Tamai
stylist & music
Hidero Nakagane
photographer & movie
Go Tanabe
model
Philip Howard
Brayden Howard
press
Studio Sympathique

ASEEDONCLOUD 2012-2013 autumn & winter collection

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フリーダムな世界観から生み出される本物の着心地

「ASEEDONCLOUD(アシードンクラウド)」による2012年秋冬コレクション「bokudougi」が展開された。今期は、放牧の羊などの番や世話をする「牧童(ぼくどう)」を人物像に挙げ、4つのシチュエーションを元に少年から青年に成長していく様をデザインやスタイルに表現した。

「リラックスや着心地を求められていることを改めて感じた」

これまでも毎シーズン一つの職業にフォーカスし、ワークウェアやユニフォームをファッションに落としこむ独自のスタイルを追求していくなかで、デザイナー 玉井健太郎は「バイヤーさんやお客様の声が届くようになり、なかでもリラックスや着心地を求められていることを改めて感じた」という。これまでも研ぎ澄まされたカッティングやテキスタイルアプローチに定評があった同ブランドだが、今期は更なる高みを目指した。

「人と関わらない非社会的な方が自由な服を着れる」

リラックスや着心地というキーワードから「パジャマのような服を連想した時に、人と関わらない非社会的な方が自由な服を着れると思った」というように、様々なリサーチを経て羊飼いである牧童に着眼した。そこで、「13歳くらいの男の子をイメージした」という少年が青年に成長していく人物像を元に、4つのシチュエーションを展開して、服のデザインやスタイルに転換していった。

はじめに旅立ち前。まだ自分自身の洋服への美意識が生まれる前に、でたらめに詰めたリュックから家族の服を気ままに着ていく少年時代から始まる。そして牧童となり、コートの上にセーターを着たりして、服の着方を知らないながらもフリーダムな装いを楽しむ。旅をする最中で、他村の宿に宿泊したり、他人からの目を気にするようになり、フォーマルな装いに目覚める。最後の帰郷では、外界や様々な過程を経たことで、ストリート感ある街着のような装いに行き着いた青年になる。

スタイルやデザインだけでなく色遣いにも気が配られている。差し色には「おもちゃのような色味を入れたかった」というように、アクア・オレンジ・グリーンなどを差し込むことで、土臭さが薄らいで垢抜けていく様を取り込んでいる。

素材に目を向けると、メルトンウールのスタジャン、スーパーファインウールのヘンリーネック、メリノウールのガウン、ラムズウールのグローブ、ハンドニットなど温かみのあるウールを中心としている。その他にも、品の良い光沢感となめらかな肌触りが特徴的なコールテンの3つボタンジャケットなど、柄や織りといった表面的でない細部に徹底して追求している。 そして、素材の良さが引き立つように、極力裏地を使わずに、パイピングなどで始末することで、素材感を感じれるような仕様になっている。

デザイナー自身が一つの職業を取り上げることで、最も気をつけているのは「デザインやお客様がコスプレにならないようにしている。着ていくなかで、そこにあるストーリー性のような背後を少しでも感じてもらえればいい」ということである。例えば、旅中といえば、自然や羊と戯れることで、服が汚れているイメージがあるが、あえてユーズド加工などを施していないのもデザインの特徴といえる。つまり、そういった経過ではなく、始点を現代性に置き換えて提案しているのが“擬装”とは異なる点である。

明確な人物像を描きながらもデザインに惰性や偽善的な要素を入れずに、着心地という肌感覚でしか体感できない答えを袖を通すことで教えてくれる。信頼できる職人や工場と手を取り、自身の揺るぎない信念を貫き通すことから生まれる“服を着る心地良さ”を今後も期待していきたい。

取材・文:スナオシタカヒサ

ASEEDONCLOUD / アシードンクラウド

毎シーズン、様々な職業のライフスタイルからインスピレーションを得て、その生活の姿を背景にしたデザインが特徴。上質な天然素材に拘り、2012年7月には「Future Beauty 日本ファッションの未来性」展へ出展。今後も洋服を着た時・着ていくうちに“違い”が生まれる、安心感ある服作りに期待したい。

designer

玉井 健太郎
Kentaro Tamai

collection

2014 a/w

2014 s/s

2013 a/w

2013 s/s

2012 a/w

2012 s/s

2011 a/w