date
2012/10/20
place
Miayashita Park
theme
Water Battle Survivor
designer & styling

Shun Nakagawa
show director
Michio Hoshina
hair
Michiyo Kasahara
make
MAC
music
Hiroyuki Ishizaka
music song
Water Battle Survivor
moive
TokyoFashionFilm
model
Veronika
Ilona
Malwina
Chloe
Marianna
Annastasia
Dieke
Julie
Suvetlana
model casting
bravo models
Wizard models
show press
PR01.
look photographer
Hideyuki Seta

banal chic bizarre 2013 spring & summer mens collection

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見つけてもらう為に着る都市型サバイバルウェアコレクション

「banal chic bizarre(バナルシックビザール)」による2013年春夏コレクション「Water Battle Survivor」が発表された。今期はウォーターサバイバルゲームをイメージした“バナル流、都市型サバイバルウェア”を目指した。

バナルシックビザールにとって絶好のストリートロケーション

宮下公園で開催された「SHIBUYA FASHION FESTIVAL」のお祭り雰囲気のなか、ごった返す人々を掻き分けながら奥へと進んでいく。ランウェイ会場と案内された場所は、なんと僅か数メートル程度の幅しかない橋の上。目の前には、渋谷の街灯とビルの照明、一定間隔で横切る電車と通り過ぎていく車のヘッドライトが映り込んでくる。静と動の光のコントラストに相まった会場の空気感は、1年ぶりのファッションショーとなるバナルシックビザールにとって絶好のストリートロケーションだった。

「ユニフォームのないウォーターサバイバルゲームが気合いが入った服装をしたら、どんな感じになるか?」

会場が暗くなり、開始を告げるスピード感溢れる音楽をバックにブラックライトで照らされた衣装を纏ったモデルが足早に登場してきた。武装集団のように、顔を覆うマスクや「日差し避けの隈取りを格好良くしたかった」という民族化粧のようなメイク、戦闘民族のような白のナイロンのつけ毛をつけた三つ編み。今期について、デザイナー 中川瞬は「ユニフォームのないウォーターサバイバルゲームが気合いが入った服装をしたら、どんな感じになるか?」という、ふとした想いから誕生した。「男性をモデルにしてしまうと、サバイバルゲームのゴツさや土臭さを感じさせてしまうから」という理由から、メンズコレクションでありながらモデルには女性を起用した。

「都会で見つけてもらうこと」を前提とした、目立つ為のカモフラ柄

近年のバナルの特徴で「スタイリングに欠かせない」という多重立体ポケットのビックベストやベルト、通常の運動量より分量をとったアクションプリーツなどのディテール、どのアイテムにもミリタリー要素に溢れたアイテムが登場してきた。青空の雲のようなタイダイ柄、森林や花を下地にロープをのせたプリントが出てきたが、なかでも注目なのはカモフラ柄のプリント。通常、カモフラ柄は「目立たなくする」為に複数色でプリントしている。バナルは柄を一色で構成し、カモフラ柄の生地のうえにプリントすることで「目立たさせる」為のデザインを生んだ。それは、山の中で遊ぶサバイバルゲームと異なり、「都会で見つけてもらうこと」を前提としたウォーターサバイバルゲームをイメージした逆転の発想ならでは。

「水鉄砲のオモチャぽい身近な感じが、ありきたりなコットンと同じような存在だった」

しかし、「夏を意識したものにしたかった」という理由のテーマだが、言葉から想像したくなる撥水や防水性がある素材など、水辺のイメージが登場してこない。あるとすれば、プラスチックの水鉄砲をベルトやバックに差し込んだ直接的なものしかない。今回は敢えてそのようなイメージしやすい素材や直接的なプリントを用いずに、衣服のテキスタイルを身近な存在でもあるコットンに統一した。そこには“デザイナーとしての挑戦”が裏に隠されていた。

ポリエステルやシースルーといった代替的なテキスタイルではなく、コットンを起用するにあたった理由はイメージの共感から生み出された。特徴的なのがカモフラ柄のブルゾン。通常であれば、リップストップナイロンを使いたくなるところもコットンに置き換えているが、リップストップと同じようにマスが入っている。その他にも、フランス軍のF-1ジャケットを燕尾にしたり、Pコートをシャツにした“Pシャツ”など、原型のデザインから脱線しないようにデザインにルールを課せた。また、足元のブーツはミリタリーブーツの木型をつかって、素材の切り替えや折り返して履けるようなジップのスライダー仕様、通常よりも2層ほど底上げしてバナルらしいミリタリーブーツを追求した。だが、いずれも特定の国や軍を指定せずに、抽象的なイメージからデザインを派生させているのがバナルの特徴ともいえる。

“今までありそうでなかった”水辺のアイテム

衣服こそ水辺のイメージを彷彿とし難いが、小物類には水辺のシーンを描き出してくれるアイテムが揃っている。バッグについたアクリルパーツや便所サンダルの木型から作り上げたサンダル。コレクションには登場しなかったが、プールのコインロッカーで使うようなキーカバーなど“今までありそうでなかった”水辺のものが用意された。

「スタイリングを組んでからアイテムをデザインする方向にシフトした」

ショーの中盤に差し掛かると、一見してわかるミリタリースタイルからペールトーンを入れたカジュアルな要素を強くしたスタイリングに流れていく。素材もコットンだけなので、テキスタイルの組み合わせで幅をみせるのではなく、スタイリングでいかに幅をみせれるかが勝負でもあった。スタイリングを強く意識にするにあたって、先シーズンから「スタイリングを組んでからアイテムをデザインする方向にシフトした」というように、いかにリアルに落とし込めるかに拘りを持っている。それは、デザイナー自身が様々なストリートスナップの媒体からハントされていることが象徴しているように、他のデザイナー以上にオシャレに対して強い想いを持っているからだろう。

「ファッションは自己表現」を体現するテーマとデザインの発展

ショーの後半に登場したラスト4ルックの黒ずくめルックは、チーム感を強く感じさせた。外国人からすれば、まるで忍者のようにも見えただろう。機能的なサバイバルウェアを目指すのではなく、デザイナー自身の持論でもある「ファッションは自己表現」を体現するテーマとデザインの発展方法だった。「今回は、初めて演出家に演出のことで自分の希望を伝えた。ショーミュージックも野外音が入っても邪魔にならない音楽にしてもらった」というように、自身に課せたテキスタイルやデザインのルール以外にも、様々な挑戦が含まれていた。これまでの派手さが目に付く春夏とは異なり、デザイナーとしての地力が上がったコレクションといえる。

写真・文:スナオシタカヒサ

banal chic bizarre / バナルシックビザール

「シンプルの中にある奇抜」をコンセプトとした服作り。メインライン「banal chic bizarre」の他、リメイクライン「banalchicbizarreRe:product」、デザイナー市毛 綾乃によるレディースブランド「綺羅」やディレクター中川 瞬によるメンズブランド「EMPERART」など精力的に活動している。

designer

市毛 綾乃 / 中川 瞬
Ayano Ichige / Shun Nakagawa

collection

2013 a/w mens

2013 s/s womens

2013 s/s mens

2012 a/w mens

2012 a/w womens

2012 s/s mens

2012 s/s womens

2011 s/s womens

2010 a/w

2009 a/w

2008 s/s