DRESSCAMP 2015 spring & summer collection

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自由の精神を受け継いだ、QUEENへ捧げる祭典

2014年10月13日「DRESSCAMP(ドレスキャンプ)」による2015年春夏コレクション「A Rule of “Ultra Violett」が発表された。今期はグラフィックアーティストKAZZROCKとのコラボレーションアイテムが揃った。

会場は特別な装飾のないランウェイにもかかわらず、音楽と同時にモデルが登場すると一気に華やかになる。服だけで魅せられる力強さは今期も健在である。ファーストルックはキスマークの総柄で、今回のテーマを彷彿とさせる。

DESSCAMPは岩谷氏独自の色彩表現と大胆な装飾が特徴のブランドである。岩谷氏は2008年に一度ブランドを辞任後、立ち上げたブランド「DRESS33」よりパリコレデビュー。そこで培ったドレスを中心とするクチュール技術を駆使する中で、2013年春夏から復帰以降は街中でも着られるようなデザインを意識し展開しつづけている。今期も絢爛たるドレスの存在感に上質な透け感のある素材、ワンピースは長すぎない丈感によりドレッシーな着こなしの中に軽さも備わっている。

アーティストのルールをスタイルにのせて

「アーティストの考えるルール、それは自由と解釈した」と岩谷氏は語るように様々な文化が混在したアイテムが多く揃った。例えば、スカートやフリルワンピースにビンテージアロハ柄を使用し、中盤で登場するクリケットセーターには肩にボリューム感を演出。デザイン性の少ないアイテムをドレスアップにする違った角度から構築しており、私たちが普段もっている印象を新しいものへと変換した。また着物の羽織にウエスタンブーツを合わせるというスタイルも登場し、ファッションの“自由”が色濃く反映されている。

今期一番の存在感を放ったのはグラフィックアーティストKAZZROCKとのコラボレーションアイテム。ヒップホップ等を中心に活躍している彼の作品はストリート感が強い。しかし、メンズは細身の3ピース、レディースにはトップスやワンピースにグラフィックを合わせ、全体的のドレッシーな流れから違和感なくまとまっている。レディースでペプラムトップスにスカーフを巻いたスタイリングには70年代ファッションを彷彿させフェミニンにさえ感じる。アーティストの存在感を活かしつつも、DRESSCAMPらしいアイテムになっており見事な融合である。

そして終盤には人魚のようにしなやかに靡く豪華なドレス。トップにはパンジーをふんだんに散りばめ、スカートはチュールに泊プリント施したアイテムが登場。岩谷氏の得意とする大胆かつ優美なドレスがショーを一層盛り上げ幕を閉じた。

彼女に捧げるファッションの祭典

インスピレーションの元となったウルトラヴァイオレットはニューヨークを拠点に活動していたアーティストで昨年の6月他界している。彼女は1963年にポップアーティストのアンディウォーホルが立ち上げたSUPERSTARSの共同制作者でもある。そこではボヘミアン的な生活を送る人々が交流しており、性的にもモラル上でも、常識に囚われず自由に考え、感じ、行動する人々が集まっていた。

ドレスアップとカジュアル、ストリートとアートと他ジャンルが混ざり合わさった今期”自由”というキーワードからさまざまな価値観の持った集団SUPERSTARSと重なり、まさにブランド名通りキャンプをしているようだ。そして終盤のアイコニックともなっている”QUEEN”と”MASTER”の文字は、それぞれ今期の軸ともなっている重要なアーティストを示していると捉えるとこができる。彼らの精神を継承し、ファッションという形で表現した祭典を感じさせるコレクションであった。

また2015年2月には『TOKYO RUNWAY MEETS NEW YORK』と題してNYファッションウィーク2015A/Wに参加も決定している。今期も感じたDRESSCAMPの力強さ、ファッションの豪華さ、そして生地はすべて自社アト・ワンズで製造しており、日本の高い技術を海外の方にも感じていただきたい。

文:徳永 啓太