date
2012/10/16
place
Laforet Museum Harajuku
creative director
Koichi Chida
designer
Aya Furuhashi
art director
Shiho Ueda
show director
Makio Tanioka
hair
ABE
make
Jemes Molloy and M・A・C PRO team Makeup provided by M・A・C
music
Tomoji Kurasho
movie
TOKYO FASION FILM
model
Miho Yu
Yoko Honaga
YiRan
Kanoco
Jessica Shortreed
ASHLEY
Ena Tsuen
Yuka Mizuhara
Yuriha Yamagishi
Nao Uesaki
Junko Motoyama
TENKO
Yuri ISHIZAKA
KASUMI
Fumi
Kumi
Jennifer Nakayama
Ran Taniguchi
Saki Asamiya
HANNA
Asami Nobuoka
Lisa Oda
model agency
LesPros Entertainment
etrenne
Dualism management
Image Models
jungle
BARK in STYLE
TATEOKA OFFICE
now fashion agency
Gunn’s
NORE INC.
ENERGY
eva management
show press
FLAVOR CO.,LTD.
look photographer
Nobuyoshi Yoneyama

fur fur 2013 spring & summer collection

updated   : 14   : 0   : 0

抽象的なコミュニケーションから生まれた、身近で新しい色彩

「fur fur(ファーファー)」による2013年春夏コレクションが発表された。今期は、具体的なテーマ名を決めずにアーティスト 植田志保と共に抽象的なコミュニケーションから生まれた、身近で新しい色彩を表現した。

ずっとずっと
いろをさがしてきました
ようやく
いろという言葉と意味を
紡ぐことができる人に出会いました
fur fur 2013 spring & summer collection プレスリリースより

既存のフォーマットとは異なる、まるで小劇場のような空間

会場に入ると、様々な画材や筆などが無作為に置かれた古びた木製机と一枚の絵が待ち構えていた。ステージ前に辿り着くとそこにはマイクが配置され、疑問が膨れ上がっていた最中、ショーの開始を告げる音楽が鳴り響いた。

モデルはキャンバスを持ちながら、ゆっくりとマイクの方へ向かっていく。「もしや!?」の予感が的中にしたように、中央で立ち止まって言葉を発した。

「まっしろな むじゅん色」・・・?

キャンバスと服、そしてセリフ。一体この先にどんな答えが待ち受けているかは予想し難かった。次々と登場してくるモデル達も同様に、それぞれ異なるキャンバスを携えて、色に纏わるセリフを読み上げていく。

興味深かったのは、いつもなら堂々とカメラに目線を送るモデル達がセリフを呼び上げる時は、緊張のせいか少し下を向いたり、声色もどこか照れくささを感じさせ、非常に人間味を溢れていたこと。「この子の声はこんな声なんだ」、「次はどんなセリフが出てくるのだろうか?」と、ある意味「服そのもの」というより「空間そのもの」に吸い込まれていった。

さながら、その光景はファッションショーやインスタレーションといった既存のフォーマットとは異なる、まるで小劇場のような空間に覆われた。これはディレクター チダコウイチが「ショーをプレゼンテーションの場と考えていない。自分らがファッションに対して疑問を思っていることを打破していく場」という考え方が大きく関係しているのかもしれない。

最後にモデルが全員揃うと、キャンバスに描いたような一枚絵が完成した。ルックやセリフといった点で考えると見えなかった答えが、ようやく紡ぎあった瞬間でもある。カラーアートワークとして参加した植田志保が「たまらなく大きくて、とてつもなく小さい いろをみた」と言い表した言葉が正にしっくりくる。

色を使わないファーファーから色を使うファーファーへ

ショーが終わり今期の重要な「色」というキーワードに対してチダコウイチに話を振ると、第一声に「今まで色を使ってないんですよ」という返答がきた。一瞬「えっ!?」と意外性を感じる言葉でもあるが、冷静にアーカイブを振り返ると・・・確かに2009年や2011年春夏を除けば基本的に黒や白、生成りを中心とした色彩で構成されてきたことがわかる。

だが、今期の色使いはそれらとは異なる“塗り方”にポイントがある。これまではプリントや切り替えでも「色をつかう」という意識がわかる単色使いだったが、今期はまるで服を水彩画で描いたキャンバスのような落とし込み方である。なかでも、ワンピースやドレス、或いは色がのりやすいコットンなどをつかった作品をみると分かりやすいだろう。

コミュニケーションから始まったカラーパレット

では、なぜこのような色使いになったのか?という話を進めていくと、まず「今までインターカラー(国際流行色委員会)のような組織で決められる色に対して、遠すぎてピンと来なかった」という。つまり、流行色を元にアパレル企業がシーズンのキーカラーを設定していくという常識に対する疑問からだった。長年に渡る疑問を解決してくれる糸口となったのが、今回のメインコラボレーターである植田志保との出会いだった。

赤・青・黄色などは記号と捉え「その前の記憶や情景を『◯◯色』と呼んで色を付けてみよう」という色の個性に着眼した。例えば「緑」と伝えるよりも「この古びた机の色」や「あの森のなかの色」といった抽象的な言葉の方がコミュニケーションとして伝わりやすいという考え方だ。

実現に向けて重要になってくるのは、やはりコミュニケーションである。そこで、関西在住の植田志保自身がショーの一週間前からファーファーのアトリエに通って、ドローイングとキーワード出しを繰り返してカラーパレットを作り上げた。そこで出来上がった作品を一点物として使ったり、残布の色を再現性の高いインクジェットやシルクスクリーンをつかって軽衣料に落とし込んだ。

様々な色があってこそ活かされた声を発した意味

このような色に潜む深層心理に注目して、身近だけれども新しいファーファーの色彩が生まれた。色に様々な情景があるように、人間一人一人にも個性を持っている。そう考えると、演出としてチープになりかねない「モデルが声を発する」という、ある種のタブーと比喩に挑戦したファーファーの意図に拍手を送りたい。

モデルに声を出させる演出は、チダコウイチが過去に「肌色」をテーマにしたショー以来、実に約12年ぶり取り入れた。しかも、今回は「ショー開始一時間前に告げた」という。続けて「仕事を出来る人に緊張や衝撃を与えるのが大人になってからの醍醐味」と笑みがこぼれた言葉からは、自身の役割でもあり課題としての楽しみからだろう。こちらも、まだまだ「何かしそう」という期待を抱かせてくれるクリエーションを楽しみにしたい。

写真・文:スナオシタカヒサ

fur fur / ファー ファー

「不完全なもの、はかないものへのいとおしさ。ぼろぼろで、歪んだ服の中にあるエレガント感情のある服作り」をコンセプトとしている。様々なアーティストやフォトグラファーと積極的にコラボレーションを行なっている。

director / designer

チダ コウイチ / 古橋 彩
Koichi Chida / Aya Furuhashi

collection

yukata 2013 summer

2013 s/s

2012 a/w

2012 s/s

2011 s/s

2010 a/w

2010 s/s

2009 a/w

2009 s/s

2008 a/w

2008 s/s