liberum arbitrium 2012-2013 autumn & winter collection

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今期のデビューブランドで最も将来性に期待したいニューカマー!

「liberum arbitrium(リベルム アルビトリウム)」による2012年秋冬コレクション「ghost」が展開された。今期は、テレビなどの映像で多重に映る現象“ゴースト障害”からインスピレーションを受け、幽玄的な世界観を作り出した。

体に添うシルエットだが息苦しさを感じさせない。

ゆったりとしたドレープが効いたトップスに股上の深いボトムスを合わせたスタイルは、見ていて心地よさを感じさせてくれる。パッと見の世界観だけでなく、肌が少し見えるようにスリットが入ったカットソー、脇から斜めに下がったジャケットのヘムラインや切り替え線など、カッティングからは並々ならぬ拘りと男性デザイナーならではの繊細な心持ちが垣間見える。ここに作り手としてオリジナルティーが垣間見え、幽玄的な世界観をさり気なく引き立てるオーラが隠されている。

インスピレーションソースでもある“ゴースト障害”を象徴するのは、ドレープや袖口や裾を二重にしたレイヤードスタイルに表れている。レイヤード部分に、透けるような京都西陣織のテキスタイルを使ったガーゼシルクシャツ、袖と裾にシャツの要素をドッキングしたニットシャツなど、ゴースト障害に起きる具象性と抽象的を素材感で巧みに表現している。なかでも、シルク100%のグラデーションシャツは、素材感と色彩感を加えた今期を象徴とした作品といえる。

デザイナー 光岡慎介は、第35回神戸ファッションコンテストで入賞し、2010年にロンドンの「Nottingham Trent University(ノッティンガム・トレント大学)」を首席で卒業した。その後、活動拠点をパリに移し、「Gustavo Lins(グスタボ・リンス)」でのスタージュやアーティスト「Fergie(ファーギー)」の衣装デザインなどを行なって経験を積んできた。そして、昨年にはロンドンコレクションにてショー形式のレディースコレクションを発表し、今期から満を持してメンズブランドとして日本デビューを果たした。

体裁化されたカテゴライズでは、一言で表現しきれない不思議な魅力

ユニセックスのようで、女性感を感じさせない。アンニュイのようで、倦怠感を感じさせない。体裁化されたカテゴライズでは、一言で表現しきれない不思議な魅力がある。今期デビューを飾った数多くのブランドのなかでも、一際ポテンシャルとクオリティーを発揮した。真価が問われる2シーズン目へ大きな期待を抱かせてくれる。

取材・文:スナオシタカヒサ

liberum arbitrium / リベルム アルビトリウム

第35回神戸ファッションコンテストで入賞し、2010年にロンドンの「Nottingham Trent University(ノッティンガム・トレント大学)」を首席で卒業。ロンドンコレクションにてレディースコレクションを発表し、満を持して日本デビューを果たした。ラテン語で「自由意志」を意味するブランド名通り、何者にも縛られない姿勢を目指している。

designer

光岡 慎介
Shinsuke Mitsuoka

collection

2013 s/s

2012 a/w