SOMARTA 2012-2013 autumn & winter collection

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自然界の摂理とともに、語り継がれる“美の理想”を追い求めて・・・

「SOMARTA(ソマルタ)」による2012年秋冬コレクション「Geodo(結晶の洞窟)」が発表された。今期は、レオナルド・ダ・ヴィンチの持つ女性像からインスピレーションを受け、自然界の摂理を服のなかで引きあわせた。

何かを守るように、ゆっくりと内側に成長してゆく

時の経過で丸みを帯びた結晶の洞窟

千の花を束ねたように重なり合う層は
穏やかな潮騒のようであり、激しく揺れる炎のようでもある

深遠なるその佇まいは
優しさ 暖かさ 強さ 厳しさ
そのすべてを包み込み、ほほえんでいる

まるで、子供を見守る母のように
SOMARTA 2012-2013 A/W COLLECTION プレスリリースより

教会の鐘の音を想起する合図とともに、ランウェイに浮かび上がるステンドグラスの模様。

今期のショー構成について、デザイナー 廣川玉枝は「ダ・ヴィンチが追い求めた女性像・・・母親が持つ慈愛や自然を、ソマルタが追求する美の理想と重ねて表現した」というように、情緒を感じるストーリーに仕立てた。序盤は、黒を基調としたルックでスタートし、徐々に盛り上がりみせるように、赤を基調としたドレスへと移り変わった。静寂に包まれた洞窟のなかで光輝く結晶のように、衣装もスパンコールやアクセサリーといった装飾的な要素を積極的に取り入れた。

スタイルを構成するにあたって、ソマルタにとって美の普遍的要素ともいえるシグネチャーも登場した。無縫製ボディウェア「スキンシリーズ」、同技法の編み密度を軽量化したレッグウェア「シータ スキンシリーズ」、3シーズン目となる「NORITAKA TATEHANA(ノリタカ タテハナ)」とのコラボレーションシューズは、これまでの原型を元に今期を象徴とするオーガニックなグラフィックパターンが施されている。一見バラのようにも見える貝殻の層状をイメージしたアイテム、花輪・ステンドガラス・薄羽根などをイメージした手刺繍を施した「オーガニックシリーズ」は、今期に対する想いがみえてくる。

目を奪われるのは、服だけでなくヘアーやメイクにもある。過去のコレクションでも編み込んだヘアースタイルが特徴的だったが、今回はダ・ヴィンチの「レダの頭部」を彷彿とする木目細かい仕上がりになっている。この「レダの頭部」は、鬘(かつら)を研究していたことでも知られるダ・ヴィンチが、パーティーや演劇上演で“髪型を崩すことなく着脱できる”ように考案されたと言われている。ファッションショーもモデルが着替えて登場するように、より纏まりのある髪型にすることで、崩れることなく凛とした表情を醸し出している。モデルのキャスティングでは、これまでのソマルタが描く人物像から大きな変化はなかったが、メイクを見るとダ・ヴィンチが描き出す微笑ましい優美な女性像を再現するように、目尻が下がるアイシャドウや眉毛を消すことで、ソフトな印象を与えてくれる。

ダ・ヴィンチは「人間の巧妙さが、自然が創造するものよりも美しくシンプルな、あるいは正確な発明をすることは決してできない」という言葉を残した。同じく、廣川自身も「自然界のオーガニックや層状な要素と洞窟で輝く宝石的な要素を落としこみたかった」というように、自然界の摂理に魅了された同士のアティチュードが共鳴する。その象徴が総ビーズ刺繍の「オーガニックボディ」にある。まるで小さな結晶が集積し、有機的なフォルムの結晶体へ変貌した生命力を感じる服となっている。ここに、ソマルタの真骨頂ともいえる繊細さと迫力を併せ持っている力がある。ダ・ヴィンチが残した「その手に魂が込められなければ、芸術は生まれない」という言葉の信念が垣間見える優美なフィナーレで幕を閉じた。

ここ4シーズンは、特に光沢感や装飾的な要素を強く打ち出してきたが、一つの答えが表現されたような完成度が生まれた。今後も東京コレクションをリードしていくブランドとして、ソマルタの美の理想を追い求めてもらいたい。

写真・文:スナオシタカヒサ

SOMARTA / ソマルタ

「身体における衣服の可能性」をコンセプトに、美しいレースのグラフィックや構築的なドレスウエア、アクセサリー感覚で完成度の高いアートピースはもとより、サウンドや映像表現を駆使したファンタジーでドラマティックなコレクションを展開する。観る者に夢を与えるアート性溢れる作品は、ファッション業界のみならず他業界からも高い支持を得ている。

designer

廣川 玉枝
Tamae Hirokawa

collection

2016 a/w

2016 s/s

2015 a/w

2015 s/s

2014 a/w

2014 s/s

2013 a/w

2013 s/s

2012 a/w