date
2012/03/22
place
belle salle SHIBUYA FIRST
theme
AM3:00
designer & styling

Takashi Aoki
show direction
Tatsuya Matsuyama
hair
Hidetoshi Saiga
make
James Molloy and the M.A.C pro team
music
Keisuke iizuka
music song
Original
model
Sen
Shuichi
Tetsu
W Kayne
Celia
Kyla
Priscila
Stephanie
Emmy Rappe
Liza Vishnyakova
model casting
HYPE
show press
PR01
look photographer
Tomohiro Horiuchi

MACARONIC 2012 collection

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ボツデザインを肯定し、アトリエ中を集積したコレクション

「MACARONIC(マカロニック)」による2012年コレクション「AM3:00」が発表された。今年は、深夜に陥るロマンチックな心情で描いたボツデザインを肯定し、アトリエ中を集積したコレクションを表現した。

時に極上のロマンチシズムに浸ってみたり。
時に暗闇に押し潰されそうな自分を嘆いてみたり。
時に後悔する様な恥じ入るメールを綴ってみたり。
時に奇矯な夢路を彷徨ってみたり。
時に綴った思考ロジックを振りかざしてみたり。
幻想と、妄想と、夢想と、そして、現実と。
月が夜を散らして溶けていく。
そんな、AM3:00。
MACARONIC 2012 collection プレスリリースより

小さな西洋劇場のサーカス団のようなファンタジーな趣き

ランウェイには時計の文字盤が映し出され、カチ・・・カチ・・・と音を立てながら3時を指した瞬間、ショーの開始を告げるジャズピアノの演奏が流れ始めた。ノスタルジックな空気感が漂うなか、円形状のランウェイをゆっくりと歩き回るモデルたち。

昨年の淡い色から一転して、ファーストルックは多彩な編み方をミックスしたドレスが登場した。ビンテージ感溢れるキルティングプリント、カットソーやベストのモチーフにつかったピエロ、ヒップ周りのゆとりを充分にとったパンタロン・ショセット。まるで、小さな西洋劇場のサーカス団のようなファンタジーな趣きを感じさせた。昨年のコレクションよりもスタイリングとしての打ち出し方や奇抜な色の組み合わせなど、デザイナー自身の根っこにある部分を打ち出していることが読み取れる。

誰でもできる服だが、誰にもできない服

しかし、マカロニックのクリエーションには、難解なロジックや具体的なインスピレーションはない。正確には、デザイナー兼スタイリスト 青木貴志を取り巻く環境が全ての源といえる。そういった日常から浮遊するイメージやキーワードをふ一つ一つパズルのように繋ぎ合わせて、“世界に一つだけの服”としてアトリエ生産で作り上げている。テキスタイル、パターン、テクニックをみても、誰も取り組んでいないような目新しさがあるわけではない。だが、似たようなテクニックをつかう学生とは一線を画するのは、デザイナー独自の感性、創る力にある。

デコラティブでありながら洗練された印象

柄と無地の配色配分やシルエットのバランス感覚は、デコラティブでありながら洗練された印象を与えてくれる。チープに成り下がらないスタイルは、普段スタイリストとしても活躍する青木貴志という一人の人間がもつバックボーンが妙実に表れている。ショーでは、その大きな役割を担っているのがヘッドピースにある。「人間の視点が『顔』をみているようで『頭』に目がいくように、ヘッドピースをつけるだけでアヴァンギャルドな見え方に変わってきます」というように、キーテキスタイルであるバンダナを多用して製作した。

切り裂く。結ぶ。寄せる

特徴的なのは、ショーの後半に登場してくる一点物のドレスたちにある。一般的にショーピースは、アシスタントがイメージを形にしていきながら、デザイナーが調整を加えていく作り方が多い。しかし、マカロニックではアシスタントには触れさせず、デザイナーが一人で製作している。バンダナを約300本つかったドレス、キューっとギャザーを寄せたドレス、手縫いで荒々しくついたボタンやランダムに入ったステッチのドレスなど、どれも一つのテクニックにフォーカスを当てている。気が遠くなるほど、何回も・・・何十回も・・・何百回も・・・同じ業を繰り返すことでマカロニックの服として完成している。

今期の「AM3:00」というテーマ名のキッカケに対しても「深夜なんかは軽くお酒入りながら不思議な気分になって物思いに更けることが好きなんですよ。それが深夜の2時とか3時。その時に、いつもソファーの横に置いてあるノートに、誰がみてもわからないような思いついたキーワードやデザインイメージを書き留めておいて、オチるように寝る生活を送っています。でも、朝になると『こんな服、売れるわけないじゃん。なんで俺こんなこと書いたんだろう?』みたいな(笑)」というように、物作り経験者にとって“深夜製作のあるある出来事”を一年に一回しかない貴重なコレクションで発表した。

ボツデザインを拾い集めて誕生した作品のなかには、元ネタから手を加えてリデザインしたものもあるが、多くのものが深夜の時にイメージしたデザインを採用している。そのメモから立体で布を当てながら、「イキそうになるような偶発的な奇跡」を求めて作り続けた。なかでも、テーマの精神性を妙実に表しているのがデコラティブなパンプスにある。

ビーズ。お菓子のキーホルダー。錆びた釘。タバコの吸殻。おもちゃのレゴ。飲み物のキャップ・・・。

思わず「えっ!?」と目を疑ってしまうものが靴につけられている。さながら、靴がアトリエ中を散策して付着した靴である。それは、履けるけど履けない“マカロニック版シンデレラの靴”ともいえる。

コレクションを発表した数日後には、直営店でバイヤーではなく顧客向けに作品を販売し、その姿勢も相まって多くのものが完売してしまった。次回のコレクションも、ワンシーズン空けて3月を予定しているが、どんな挑戦をしてくるか楽しみにしたい。

取材・文:スナオシタカヒサ

MACARONIC / マカロニック

スタイリストとしても活躍する青木 貴志によるブランド。相反する価値観の共存をテーマに徹底したハンドメイドと一点ものに拘り、毎シーズン数百着もの洋服を制作している。しかし、量産を行わず、世界観を発信する場としてコレクションに参加をしているため、ショーは年に1度の発表としている。また、映画作品や写真集などでも数多くの衣装製作を行なっていることでも知られている。

designer

青木 貴志
Takashi Aoki

collection

2013 collection

2012 collection

2011 collection


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