- date
- 2013/10/18
- place
- CERULEAN TOWER TOKYU HOTEL
- theme
- CABiN
- designer
- akira takeuchi
- miwa fujiwara
- hair & make up
- trafic hair design
- music
- FJORDNE
- choreography
- Yuko Okubo
- green
- DILIGENCE PARLOUR
- stage management
- Takahiro Komatsu (Watowa)
- stage management assistant
- Yuma Seki (Watowa)
- lighting
- Yusaku Fukuda (deco)
- Ai Fukuda (deco)
- Shuzo Matsuoka(deco)
- acoustic
- Natsuko Yoshitake
- Manpei Tsurubayashi(sonihouse)
- sound system
- sonihouse
- collection PR
- Chihoko Nakanishi (trafic)
- Hiroko Makuuchi (trafic)
- special thanks to
- Michio Hoshina (bon)
- Toshihiko Kataoka (bon)
- Mitsutomo Kawamura(4k)
- Akiko Ueda (4k)
- Tokiko Nishioka (4k)
- Yu Asada(4k)
- and all the support members
- total direction
- THEATRE PRODUCTS
- supported by
- sonihouse
- SIC
- TAKISADA-OSAKA CO., LTD
THEATRE PRODUCTS 2014 spring & summer collection
updated
新たな舞台が架け渡す2つのシーン
2013年10月18日「THEATRE PRODUCTS (シアター プロダクツ)」による2014年春夏コレクション「CABiN」が発表された。今期は、「高原にある別荘」からインスピレーションを受け、日常とリラックスを跨いだシーンが提案された。
日常を演出する女性の「避暑地」
都内のホテルのスイートルームが会場となった今回、昨シーズンの女性の出社と退社の瞬間に注目した「FRIDAY.」に引き続き、2つの異なる「時」をテーマに掲げた。ファーストルックはファッションショーとしては異例となるブラジャーとショーツの下着姿にカーディガンを軽く羽織って登場し、休暇を過ごす女性像を描き出すとともに、昨シーズンのキーワードともなっていた「色気」を踏襲した。続いて、白のコットンレースのセットアップはデザイナーの藤原がイメージする「避暑地」を象徴するスタイルとして、スポーツの要素を大きなテニスボールを象ったビニール製のバッグを取り入れてウィットに表現した。
ルックの約半分を占めるワンピースは、ブランドが得意とする変形したパターンでコットンやレーヨンを用いて展開している。袖のスリットや複雑にカッティングされた裾に女性らしさが見受けられる。中には、ローウエストの切り替えがされているものや、膝上20cmのカジュアルなワンピースの他、ランジェリーを連想させるレース使いのワンピースなどもあり、幅広さが魅力の一つである。そして、同ブランドとしては珍しいスニーカーも登場し、日頃のパンプススタイルから一歩解放された瞬間が描かれた今期らしいアイテムに仕上がっている。これを大胆に露出した脚や、柄の入ったストッキングに合わせることで、違和感無くスタイリングに組み込んだ。
一見すると華やかな非日常も、少し視点を変えると日常の一幕に捉えることができる。「時の境界線をなくす」というメッセージが伝わってくる。
小物が示唆するリアリティ
今シーズンは、アクセサリーや小物の「ensemble THEATRE PRODUCTS(アンサンブル シアタープロダクツ)」を以前より手掛けていた藤原が、デザイナーに就任して以来2回目のコレクション発表となったこともあり、今までよりもウェアとグッズが密接に提案されている。
全ルックでバッグや日傘を持ち、ヘアーもアクリル素材のクリップを用いたアップスタイルが多いことに注目したい。ビニールやナイロン素材のバッグを始め、財布と携帯電話が入るサイズの小さなバッグや日傘は、肩の力を抜いてリゾートを歩く姿が想像できる。ブランドの定番として根強い人気のロゴトートバッグも、今回はバッグの底にロゴをプリントと思いきや、実は軽井沢にある館物をブランドロゴに落し込んだデザインとなっていた。他にも、砂糖や櫛など日常生活にあるものをモチーフにしたピアスやネックレス、大振りのリングやヘアアクセがスパイスとなっていた。
ウェアをシルクジャガードやストレッチジョーゼット、レーヨンといったリッチ感のある生地で、色味は黒や白、ヌーディーなベージュを基調としていることから、コンセプチュアルで遊び心のあるアクセサリーをエレガンスにまとめている。
デザイナーの藤原は、「豊富なこれらのアクセサリーは、クリエーションにおいてもかなり力を入れた。カジュアルなコットン素材のウェアに沢山身に付けて着飾って欲しい。」という。国内のデザイナーズブランドとしてはグッズ類の展開が郡を抜いており、ファン拡大の理由を垣間見ることができる。
新・シアタープロダクツの船出
ショー会場ではモデルと観客の距離は1m程で、ソファーに腰を掛けていたら、突然ファッションショーが始まる演出であった。同ブランドは、「洋服があれば世界が劇場になる」というコンセプトのもと、服を素材やシルエットだけではなく、その服を着る人や時間、そして空間を含めて捉えている。今期も、このコンセプトを改めて存分に味わうことができた。
近年では、「白い部屋」と「カラフルな部屋」2つのカモフラージュの空間を舞台とした2011年春夏コレクションや、バレエ組曲の生演奏に乗せてダンスと洋服のショーを「帆船日本丸」で発表した2012年春夏コレクションで、服が潜在的に持つエンターテイメント性を表現したのが印象的であった。
今年8月に瀧定大阪の傘下になって以来、業界内での注目度が更に高まっていた中でのコレクション発表となった今回、日常で誰もが身につける「洋服」が持ち合わせる「空間」や「時」を忙しく生きる都会の女性に送るコレクションとなった。
今年1月のデザイナーの交代というニュースと合わせ、設立から12年を迎え新たな船出を切ったシアタープロダクツに、信頼を寄せる人は多くいるはずである。瀧定大阪のバックアップによる生地の調達や安定的なブランド展開の下、過去に取り組んできたユニークな発想を継続・昇華させることで、今後も東京ブランドの顔としての活躍に期待したい。
文:石川千央
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