- date
- 2012/5/5
- place
- VACANT
- theme
- Domino
- designer & art direction
- Yoshikazu Yamagata
- stage direction
- Michio Hoshina
- movie
- Isao Kanemaki
writtenafterwards domino fashion photo exhibition 2011 5/5
updated
来場者がランウェイを歩いた答え
「writtenafterwards(リトゥンアフターワーズ)」による「ドミノ写真展 2012 S/S」が発表された。会場では、ちょうど一年前にあたる5月5日に行われた「秘密のファッションショー 2012 S/S」の模様が写真立てとなって展示された。
会場の入り口にドミノ上に並べられた色鮮やかな写真立てが並ぶ。期待と不安が入り交じる何とも言えない感情を抱きながら、ゆっくりと膝を曲げて見てみると・・・そこには、昨年5月5日に発表した「秘密のファッションショー 2012 S/S」に参加した人々が写されていた。一枚一枚の写真には日付の代わりに「2012 S/S」と印字されている。これは「5」を「S」に見立てたリトゥン流のユーモアである。デザイナーが「ファッションショーのような『コレクション写真』に作品性を取り入れたい」という想いから生まれたアイディアである。
ちょうど一年前、同ブランドから「未来を暗示するような一年後のファッションを着てきてください」という案内が届き、来場者はそれぞれの“未来の服”で会場に足を運んだ。それを見守りに来た“観客の神様”に囲まれ、来場者はランウェイを歩かされた。その様は、まるで「マルセル・デュシャン」が、普通の男子用小便器に「リチャード・マット」と署名をして『泉』という作品を発表したように、レディ・メイドの考え方をファッションショー版に落とし込んだようなアプローチだった。
デザイナー 山縣良和は、本コレクションについて去年の震災で精神的に影響を受けたことを語った。「『今、日本に来てもらいたい人ってどんな人だろう?』って、ふと考えた時に『神様』が頭のなかに出てきてところからが始まり。それで、ニ年前に『神々のファッションショー』をやったから、その逆転バージョンをやってみたかった」と述べた。
そうして、来場者に与えられた一年の“秘密”が守られ、ようやく2012年春夏コレクションが補完された。再び来場した者は等身大の時間軸を感じて、ファッションや写真を楽しむ。そこに、本コレクションの醍醐味がある。
「ファッションショー=ブランドの最新作を発表する場」という固定概念から脱却した試みであると同時に「コレクションフォト」という表現への挑戦でもあった。意味と無意味の狭間、見方一つで大きくツイストする世界観・・・一言で表せないモヤモヤとした気持ち・・・今後もリトゥンアフターワーズならではのクリエーションを楽しみにしたい。
写真・文:スナオシタカヒサ
writtenafterwards / リトゥンアフターワーズ
「装うことのいとおしさを伝え、流行の成り立ちや本質を伝えること。創造性を持って“今”を表現していくこと。そして心に届けること」をコンセプトにしている。ファッション=服という考えに収まらず、そのクリエーションは賛否両論を必ず巻き起こす。また、自身のコレクションのほか「ここのがっこう」を主宰し、これからの未来を背負っていく後進の育成にも力を入れている。
designer
山縣 良和
Yoshikazu Yamagata
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